老後破産と住宅ローン問題

定年退職後に住宅ローンが払えないケースが増えている

近年、定年退職した後に収入が激減し、貯金も底をついて住宅ローンが払えなくなるという、「老後破綻」に陥ってしまう高齢者が多くなってきています。

なぜ老後破綻してしまう人が増えているのでしょうか?その原因を考えてみましょう。

老後破産の原因①退職金、年金もあてにならなくなってきている

定年退職すれば退職金がもらえて、毎月十分な年金も貰えるというのは過去の話になりつつあります。長引いた不景気の影響で企業は退職金の額を減らしている傾向があります。退職金という制度自体がない企業も存在します。

そもそも退職金は賃金と異なり、企業に支払い義務はありません。会社の業績が悪くなれば支給額が削られる、あるいは制度自体がなくなるということも往々にして考えられます。

さらに年金の支給額も想像以上に低いです。国民年金を20歳から60歳まで納付していたとしても1ヶ月の支給額は6.5万円ほどです。会社員が加入する厚生年金保険でも平均支給額は15万円ほど。一方、高齢者世帯の平均家計支出は23万円と言われているので、年金だけではとても生活していけない現状があります。

退職金と年金をあてにして将来設計をしたものの、思ったよりも支給額が低くて生活が破綻するというケースが非常に多いのです。

終身雇用という考え方が薄れ、少子高齢化が進行している現状のなかで、今後ますます老後破綻するリスクは高くなると考えられます。

老後破産の原因②教育費が想像以上にかかってしまった

しっかりと人生設計を立てていたにもかかわらず老後破綻をしてしまう人も少なくありません。特によくあるのが子どもの教育費でお金を使ってしまうパターンです。幼稚園から大学卒業までに必要なお金はすべて公立に通わせたとしても1,000万円ほど。すべて私立に通わせた場合は2,000万円以上必要となります。

親が「大学は国公立に」と思っていても、子どもが私立の大学を希望して通わせるケースもあるでしょう。

加えて子どもを習い事や塾に通わせるのであればその費用が、親元を離れて進学する場合は生活費がかかり、子育てには思った以上のお金がかかります。

経済企画庁の調査によると、子どもを私立大学に通わせている45~59歳の可処分所得に占める教育費の割合は27%。消費支出が可処分所得を20%上回っていて、貯金を切り崩している人が多い傾向があります。

老後破産の原因③定年後も住宅ローンの返済期間が終わらない

35年ローンを利用して自宅を購入される方も多いのですが、子育てで貯金を使ってしまい、退職金も年金も思ったよりも少なく、ローンの返済だけが残っているとなると非常に危険です。

たとえば40歳で35年ローンを組んでマイホームを購入すると、75歳まで返済し続ける必要があります。65歳で定年退職を迎えたとしても10年間は住宅ローンを支払い続けなければいけません。貯金なしで退職金も出なかった、年金は月15万円しか支給されないという状況では日々の生活を送るだけで精一杯。とても住宅ローンを返済することができません。

まだ体が健康なうちは働けますが、年齢が高くなるにつれて体の衰えや病気などで働けなくなるリスクも高くなります。

特に「元利均等返済」で住宅ローンを利用している場合、毎月一定額の元金と金利を返済しなければいけません。そのため、収入が少なくなる老後を迎えても月々の返済額が減ることはなく、相対的に負担が増すことになります。

定年を迎えて貯金や収入もほとんどなく、ローンの返済だけが残った……こうして老後破綻に陥る高齢者が非常に多いのです。

住宅ローンにお困りなら任意売却という選択があります

住宅ローンが支払えないとなると自宅が競売にかけられ、家を失うことになります。生活保護を申請してもマイホームに住み続けることはできません。しかし、任意売却であればリースバックや親族間売買という手段を使ってそのまま家に住み続けることも可能です。

仮に自宅を明け渡すとしても、引っ越しの時期がある程度自由に決められ、引っ越し費用ももらえる可能性が高いです。

任意売却支援.comでは老後に住宅ローンが支払えなくなった方のサポートも行っております。ご相談から解決まで0円。弁護士や司法書士などの専門家とも連携して相談に対応。引越し費用や引越し後の生活費の支援も行っています。「家に住み続けたい」という方には、リースバックや親族間売買といった方法をご提案し、サポートいたします。

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