ケース③ 離婚後に自宅に住み続ける方法
離婚後に片方が住宅ローンの残った自宅に住み続ける場合におきるケースやリスクについて説明していきます。
多くの場合、住宅ローンの名義は元夫や夫婦での共有名義になってるかと思います。
先ず最初に不動産の『所有名義』、『住宅ローン名義』、『連帯保証人』を確認することが重要になります。
不動産の所有名義とはその不動産の所有者、不動産の登記簿謄本に記載登記されている方になります。
片方の場合にはその方一名、夫婦共有の場合には連名の名前とその持分が登記簿謄本に記載されています。
住宅ローン名義とは住宅ローンを申し込んでローン契約をした本人(ローン申込人)であり債務者といいます。
夫婦共有の場合には連帯債務者または片方が連帯保証人となることにより収入合算をした金額で住宅ローンを組むことが可能になります。
双方で連帯して債務(支払い)の責任を負うのが連帯債務者であり、主債務者が滞納した際に支払い責任が発生するのが連帯保証人となります。
以上の点を踏まえてケースごとにリスクやリスクを回避するための方法を解説していきます。
住宅ローン名義である元夫が自宅に住み続ける場合
住宅ローン名義人である元夫が住み続ける分には問題はありませんが、元妻が連帯保証人の場合に問題が生じます。
例えば、元夫が住宅ローンを滞納した場合に元妻にも支払いの責任が生じてしまいます。
住宅ローン契約から元妻が連帯保証人を外れるには以下の方法があります。
・残りの住宅ローンを一括返済する
・住宅ローンを元妻の連帯保証を付けない形で借り換える
・元夫の親族などにお願いして連帯保証人を代わってもらう
・他の不動産などがある場合に担保にする
これらの方法が不可能な場合は、元妻の連帯保証人を外れるのは難しく、離婚した後に元夫が返済不能に陥った場合、元妻に一括返済の請求がくることになります。
元妻側の対策といたしましては、離婚協議中に連帯保証についての決めごとをしっかり話し合い『公正証書』できちんと書面化しておきましょう。
一例としまして『元夫が住宅ローンを滞納して元妻が一時立て替え払いをしても、その分の負担金は元夫が元妻に支払うこととする』などです。
住宅ローン名義である元夫が家を出て元妻が自宅に住み続ける場合
養育費や慰謝料の代わりに別れた元夫が住宅ローンを支払い続けながら元妻と子供が自宅に残って住み続けるということもよくあります。
このケースでは元夫の経済的負担も大きくなり、以下の問題が発生する場合があります。
【問題1.】
住宅ローン名義人である元夫が家に住まなくなった場合に金融機関は契約違反の理由で残った住宅ローンの一括返済を求めてくる場合がある。
住宅ローンは基本的にローン契約者が住むための家の購入資金として貸しているもので、住宅ローンの借主であるローン契約者が住まなくなったら離婚などの理由に関わらず契約違反となり一括返済を迫られる可能性があります。
【問題2.】
元夫が住宅ローンの返済を怠ってしまい債権者に抵当権の行使として自宅を差し押さえられた場合、競売になる可能性があり強制執行で立ち退きになってしまい住むところを失ってしまう可能性がある。
【問題3.】
元妻が連帯保証人のままの場合、離婚後、住宅ローンを元夫が支払い続けてるうちは良いのですが、住宅ローンの支払いを滞らせてしまうと元妻にも住宅ローンの支払い請求がくることになり、連帯保証人である元妻には支払いの義務が生じてしまいます。
元妻が連帯保証人を外せなかった場合の対策として離婚協議中にしっかりと取り決めをして『公正証書』で文書化しておくことが大切です。
また、任意売却やリースバックなどにより負担の軽減や住み続けることも可能ですので、より良い対処法を取るためにも事前にこれらの知識をもって準備しておくことも大事になってきます。
離婚後リースバックで住み続ける
離婚後ご自宅に住み続けたいというご要望は多くいただきます。
特にお子様のいるご家庭ですと離婚と引越しが重なるとお子様の精神的な負担も大きくなります。
また高齢者の場合、新しく住む場所を見つけるのも苦労することかと思います。
これらのリスクを回避する方法としてリースバックという方法があります。
リースバックは自宅を第三者の名義に変更することにより賃貸として家賃を払うことで住み続けることが可能になります。
また、リースバックは売買契約時に特約を付けることにより買い戻すことも可能です。もちろん家庭の事情によりその後、購入しなくても大丈夫です。
離婚による精神的負担と住宅ローン、引越しの問題を同時にお一人で抱えることはとても辛いことです。離婚による住宅の問題は先ず任意売却専門のサポート会社である私たちにご相談ください。